2003年06月16日

英語の複数形名詞

日本語の名詞は、英語の不可算名と複数名詞に近いということを以前論じ、複数名詞を使うことを薦めましたが、複数形を作ることがけっこう難しいです。多くの英語の数えられる名詞は「s」が付くことで複数形になります。しかし例外が多く、ネイティブも間違ったりすることも多いですが、主な例外は次の通りです。

1)単数形と複数形が変わらない名詞
「deer」(鹿)「sheep」(羊)「fish」(魚)「squid」(イカ)「moose」(動物のムース)「salmon」(サケ)「Japanese」(日本人)など、複数形になっても「s」が付かない名詞がためにあります。その共通点は、「いつも群れている無害な生き物だ」と言ったら、日本人には失礼ですが、そのように覚えることもできるでしょう。

2)「〜f」「〜fe」で終わる名詞
「scarf」(マフラー)「wolf」(狼)「knife」(ナイフ)「life」(命)「wife」(妻)など1つの「f」あるいは「fe」で終わる言葉の多くは、「scarves」「wolves」「knives」「lives」「wives」のように複数形では「f」が「v」になり、「es」で終わります。しかし(例外の)例外には、「roof」(屋根)「safe」(金庫)「chief」(チーフ)は「s」だけがつきます。

3)「〜子音+y」で終わる名詞
facility(施設)lady(淑女・女性)city(都会)など「子音+y」で終わる名詞は、facilities、ladies、citiesのように「ys」にはなく、「ies」と終わります。しかし、「boy」(男の子)「day」(日)「key」(カギ)「toy」(おもちゃ)など、「母音+y」で終わる名詞は、「boys」「days」「keys」「toys」などのように「ys」で終わります。無音の母音のある「monkey」「valley」も「monkeys」「valleys」と「s」だけで複数形になります。

4)古英語の名詞
古英語から受け継がれている「man」(男)「woman」(女)「child」(子供)「person」(人)「foot」(足)「tooth」(歯)「mouse」などは、「men」「women」「children」「people」「feet」「teeth」「mice」と不規則的な複数形になります。これらの不規則的な複数形を個別に覚えるしかありません。

5)単数形のない名詞
「trousers」(英=ズボン)「pants」(米=ズボン、英=下着)「scissors」(はさみ)「pliers」(ペンチ)「glasses」(めがね)などの2本・2個の何かからなっているものは、いつも複数形です。このようにI bought some scissors. Please would you pass me the pliers.と言います。しかし、glassesやtrousersは(shoes)(靴)のように、「I put on my trousers」「She put on her glasses」だが、「I bought a pair of trousers」「He bought a pair of sunglasses」と「a pair of」が付くことが多いです。

6)「o」で終わる名詞
「potato」「tomato」など古くからの英語の名詞は、「potatoes」「tomatoes」と「es」で複数形を作ることがあります。しかし、音楽関係の「solo」「cello」「piano」などフランス・イタリア・スペイン語からの「o」で終わる名詞は「solos」「cellos」「pianos」と「s」だけで複数形を作ります。特にアメリカ英語では、複数形の綴りの「s」にまとめる動きがあるので、古くから英語にあった「cargo」(貨物)や「hero」(英雄)は両方の綴りが見かけられます。「子音+o」で終わる名詞には「oes」で終わるものがあるが、「radio」などの「母音+o」で終わる名詞は全て「s」だけで充分です。

7)「x」「sh」「s」「z」「ch」名詞
「box」(箱)「flash」(フラッシュ)「bus」などの「ス・ズ」のような音で終わる名詞は、「boxes」「flashes」「buses/busses」で「s」だけをつけたら発音できませんので、「〜es」で複数形を作ります。

8)ラテンとギリシア語からの名詞
「stimulus」(刺激)「phenomenon」(現象)「axis」(図の軸)などのラテンやギリシア語からの科学的な名詞は、「stimuli」「phenomena」「axes」などともとの言語に沿った不規則的な複数形があります。これらはネイティブにも間違い易く、「nucleus」などの場合には「nucleuses」「nuclei」と複数の複数形が存在しますので、これらの科学用語を個別に覚えるしかありません。

分かりましたか?すぐわかることはないでしょうが、上の記事をしっかり読んでいれば次のクイズを試してみてください。

Posted by timtak at 2003年06月16日 00:22
Comments

はじめまして
上記の複数形の話し参考にさせていただきました
抽象的な概念というのはどう判別するのか
伺いたいのですが

たとえば色 を一般に差すとき
は単数か何色もまとまった色をさすときは
どうなのか

おしえてください

ヴィッキー

Posted by: Rui natsuka at 2004年09月21日 11:20

抽象概念と使うか、複数形を使うかは、ただ全般を言いたいのか、複数の色を言いたいのかによると思います。

The colours of the rainbow are violet, indigo, blue and green, yellow, orange and red.

The ability to see colour is important.

Posted by: Timothy Takemoto at 2004年09月21日 12:09

はじめまして。
SLIMSというビールが出ました。
発音はスリムスで書いてありますが
mは濁音。スリムズではないのでしょうか?
ドッグスという英会話塾も同じくドッグズなのでは?
調べてもわからないのでメールしました。
教えてていただけませんか?

Posted by: みっきー at 2005年06月05日 19:06

おっしゃる通り、スリムズの方が英語の発音に近いです。

Posted by: Timothy Takemoto at 2005年06月06日 13:58

返事をすぐに頂けてうれしかったです。
これからも利用させていただきます。
判り易さは群を抜いています。

Posted by: みっきー at 2005年06月06日 20:31

米国に長いこと在住していましたが、article, contable/uncountable nounsのあたりは、今も定かでありません。
たとえば、夫婦がわれわれの人生(生活)と言う時、our life ですよね? 
また、日本人の生活(文化や政治的背景における全体的な傾向はあるが、経済状態・家庭の事情など個人差がある)という場合は、the japanese lives ですか?
(考え出すと、自分が全然英語を解ってないみたいに
思えてきます。)よろしくご返答下さい。

Posted by: kilalaa at 2005年06月13日 17:43

 もしかしたら問題は部分的に「生活」ということばです。英語にすることが難しい単語の一つです。多くの場合では英語にしなくても、省略してもよいような場合とlifeにする場合が多いし、またlifestyleにすればよい場合があります。「生活」という曖昧な言葉にぴったり来る言葉がありませんので、文脈によっては英訳が違ってくると思います。

例えば

日本人の生活があるのは 諸外国のおかげです。existance?

これまでの日本人の生活がどんどん安全になってきて life

在宅でネットを使った楽なバイト生活が始められます。

You can start doing a low-stress part time job in your own home using the internet.

ちなみに複数形で使うことが少ないと思います。

日本人の生活は地方によってまちまちです。
The lifestyles lead by Japanese depend upon the region in which they live.

ちなみに定冠詞Theで一般論を表すという教育は日本の学校で教えられていますが、私は複数形の使用をすすめます。

Posted by: Timothy Takemoto at 2005年06月13日 20:50

Timothyさん、ご返答ありがとうございます。

まだ難しいですが、Timothyさんのおっしゃる通り、複数で使う場合があまりない単語、また総称の時は冠詞をつけるのではなく、複数にするってのを押さえて考えていきます。

では、具体的にこれはどうでしょうか。

「この国では、生活は困難だ(貧困などで)」
Life in this country is tough.
Lives in this in this country are ...とはしませんよね? または、The life in ...ですか?

よろしくお願いします。

Posted by: kilalaa at 2005年06月14日 12:59

総称する場合は「the」を使わない方がよいですが、一人一人について言及していない場合、(国民の生活)という意味でのLifeは不可算名詞ですので、Life in this country is toughがよいです。これはもっとも総称的な言い方です。

The life in this country is tough.はありうるでしょう。

総称というんですが、ありがとうございます。もっと文法用語を勉強しなければなりません。しかし、自分独自の文法の説明をまずは書いておいた方がよいような気がします。

Posted by: Timothy Takemoto at 2005年06月14日 16:58

ありがとうございます〜。
また質問あるかもしれませんが
その時はよろしく〜。

Posted by: kilalaa at 2005年06月15日 10:34