HallやNisbettなど日本文化を論じる社会科学者に指摘されるように日本人は行動するに当たって周囲に注意を払い、「時と場合による」「場を弁える」などの表現が好きです。この文脈依存主義的なところは、日本語の文章の構造に表されています。日本語の文章は、時間・場所・やり方などの副詞句から始まることが多いです。
「副詞」といえば「よく」「早く」「徹底的に」と「く」や「的に」で終わる日本語の単語や「slowly」などの「ly」で終わる英単語という狭義の副詞ですが、「今日」「ここで」などの時間と場所を言う文言も副詞句です。
日本語なら、副詞句から文をはじめるのが極めて自然
今朝自宅で宿題を採点しました。
日曜日はアルバイトが忙しいです。
英語では副詞から始まることができますが、副詞から始まると、日本語よりもそれを強調することになります。そこで、とりわけ強調するつもりはなければ
This morning at home I marked some homework.ではなく、I marked some homework at home this morning。またOn Sunday my part time job is busyではなくMy part time job is busy on Sundayと副詞句を文末に置いた方が無難です。
例外はalmost, nearly, never, reallyなどの程度の副詞です。これらは、動詞がどれだけ実行されたかを意味し、動詞が実行されなかったことも伝える副詞ですので、動詞の直前に起きます。
しかし、原則として、副詞句(時間・場所・狭義の副詞であるやり方)は文末が無難です。