100万語英語多読講演会案内
演者:酒井邦秀先生
日本多読学会会長、電気通信大学助教授
日時:7月28日(金)
午後4時30分〜午後6時頃
場所:山口大学共通教育SCS教室
詳細案内及び学外者参加申し込み
共催:山口大学大学教育センター、同外国語センター(酒井先生に対する文部科学省科学研究費助成講演)
酒井先生の多読学習法
多読は直読直解で有効ですがなかなか継続できませんでした。酒井先生の多読法では、中学1年生が読めるやさしく楽しい英語の本から始め、いちいち英和辞典を引かないで、わからない所は考え込まず先に進み、どうしても進まなければその本は後回しで基礎レベルをじっくり楽しみながらレベルを緩やかに上げます。すると英語が不得意だった人でさえも読みたい本を楽しめるようになり英語力も上がるようです。本学でも英語多読教材があります。是非御来場の上、質問して下さい。
プロの翻訳者は翻訳メモリーソフトを使っています。このようなソフトは、翻訳された文章のペアを記憶し、ある程度類似している原文の文章(あるいは文言)が出てくると、前回それを翻訳した際の翻訳を候補として提供します。例えば図の例では、私は「Now we can cooperate with others online!」という文章を「今やネットで協力することができる!」と和訳しましたので、「Now we can cooperate with others translating」という2番目の文章の和訳として、同じ「今やネットで協力することができる!」が翻訳メモリーソフトによって自動的に提供されました。この例だとそれほど役に立ちませんが、法律文章・チラシ・取扱説明書などを訳していると、繰り返しの文言が多いわけですので、ずっと以前にこのような文章をどのように訳したかを考えるまでもなく、自動的にそれを取り出し提供してくれるのが翻訳メモリーツールの凄みです。
複数の翻訳者が同じ翻訳に関わっても、長い文章の中で用語や文章が同じように翻訳されることも補償されます。各文章が一つ一つ浮かび上がってくるので、一文を見逃したりすることもなく、完了してから原文と照り合わせることが簡単です。また、最近の画期的な動きとして巨大な翻訳記憶をオンラインで無料で提供することが企画されています。実現しますと、次第に次第にあらゆる英語表現の和訳・あらゆる日本語表現の英訳という巨大なデータベースが蓄積されていきます。全ての文章がカバーされているわけではなりませんが、取り扱い説明書などの決り文句の言語ならでは、非常に役に立ちそうです。この巨大データベースに接続するだけで、スパー自動辞書を使っているような感覚で訳が自動的に提供されていきます。しかも、機械的な翻訳ではなく、過去において生身の翻訳者が考えついた訳ですので成功率が高いわけです。
短い文章を英訳しているなら、使い方は少し面倒ですので利用しなくてもよいですが、仕事で英語を使っている場合は大変お薦めです。お薦めな翻訳メモリーソフトは、図のWordfastです。デモ版は本の一章ぐらいまで無料で使えます。